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絞殺魔のleylaのレビュー・感想・評価

絞殺魔(1968年製作の映画)
4.0
1962〜64年に実際に起きたボストン絞殺魔事件を映画化。約1年半で13人の女性が殺害され、当時のボストン市民を震撼させた事件。

見せ方が凝ってます!
物語の前半は、犯人の殺害手口と、物証がなく捜査がなかなか進まない様子を描いています。

マルチ画面で多角的に見せる手法がドキュメンタリータッチで、50年以上前の作品だから、かなり実験的で新しいと思う。


👇以下、ネタバレ含みます⚠️









素晴らしいのは、クライマックスで犯人を自白させるシーン。

取り調べをする検事ヘンリー・フォンダvs.精神異常者のトニー・カーティス。
トニー・カーティスの一人芝居が見事。フラッシュバックや長回しを用いて、まるで多重人格者の頭の中をのぞいているような、殺人現場を観ているかのような、緊迫感のある演技と映像だった。

白い部屋に佇む男と息づかいだけのエンディングも素晴らしい。

リチャード・フライシャー監督の手腕が光る作品で面白かった。と言いつつ『ミクロの決死圏』ぐらいしか観てなかったので他のも観たくなった。

📌実際の事件について

なぜ犯人がそんな人間になったのか気になったので調べたら、実際の事件はもっと残忍で、犯人像も今作とは少し違いました。

父親のDVや素行の悪さが犯人の人格形成に影響を与えている。犯した性犯罪の数にも驚かされる。犯人はこの事件では証拠がなく、他の事件で刑を確定されている。最後は刑務所で囚人に殺害されているのだとか。
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