かんじ

ザ・クリエイター/創造者のかんじのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.8
SFアクション版『母を訪ねて三千里』

AIを受け入れた東洋諸国と
AIを敵対視する西洋諸国の対立を、
思想、死生観、宗教観を交えて描く。

大友克洋脚本の『メトロポリス』や『AKIRA』の影響も受けていると思う(攻撃型衛星=SOL、兵器にされた子供型ロボ=超能力の実験体にされた少年少女)

原爆を描くなら、残酷でも良いので核の非人道性を描いて欲しかった。

冒頭、主人公が『俺は潜入捜査員だ』と言うのは少し頂けない(スパイが、俺はスパイだって言ってるのと同じw) リアリティがない。

逆に、都合の悪いことはAIのせい、っていうのは、中国や韓国が反日感情を利用している現実を見ると、とてもリアリティがある。

この映画の企画はAIが人類を滅ぼすのでは、と潜在的な不安から企画されたのだと思うが、ガザの病院を破壊したのは相手の方だと言い合っているイスラエルとパレスチナを見ると、本質的な問題はAIではなく、この映画のように、人間に問題があるのだろう。人類を滅ぼすのはAIではなく人類自身だと考え方を改めなくてはならないような気がする。



最後に『機動警察パトレイバー劇場版』のセリフで締めたいと思う。
"人間が間違いを冒さなきゃ、機械も決して間違いを冒さない"
かんじ

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