ハント

ザ・クリエイター/創造者のハントのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.6
IMAX,2D,2Dの3回鑑賞
王道SF映画の最高傑作
ある理由からずっと応援し続けていて今までで1番思い入れのある作品となったが,その期待を存分に答えてくれた
AI ×自然はビジュが神がかっていて,全ての造形が厨二の心を擽る
王道だが今までと違う視点で魅せてくれる
そしてなんといってもアルフィー役を演じたマデリンちゃんの演技が素晴らしすぎてさらにめちゃくちゃ可愛い
このマデリンちゃんとほんの少し親交があった為,自分は少し違う感情で観ていた
ギャレスの日本愛もとても感じられ,随所にでてくる少し変な日本語は可愛い
AIは人間を救う為か,破壊する為か,AIとは何なのかを感じることが出来る作品
全てのカットが映画史に残る名シーン
予告のDream Onも神
──────以下ネタバレ──────


この映画を恐らく日本で1番楽しみにしていたのは自分だと思っているが,その高いハードルを期待通りに作ってくれた

・<ノマド>の造形
今作の見所は数え切れないほどあるが,まず1番に<ノマド>の造形の良さは本当に素晴らしい
宇宙を浮遊,放浪しながら青いレーダーをリングから放ってるのが堪らない
ラストシーンでの<ノマド>の破壊,村人とアルフィーちゃんが降ってくる残骸を見ているシーンはこれがギャレス・エドワーズ監督の言うデス・スターを破壊してみたかったってやつだなーと笑
映画史に残る名シーンかも

・物語のメッセージであるAIと人間とは
今作ではターゲットになってしまったAIロボットが逃げた先に子供がいるのを見るとそこから離れて行くシーンなどから,人間以上に綺麗な心を持っているなと感じさせてきた
また『天国』についての表現の仕方も素晴らしかったと思う
<ノマド>も『天国』の具体化として存在し,後半でそこに乗り込むあたりは『天国』にいけない2人が『天国』に向かうという奥深さのある表現であったのかも
ジョシュアとマヤが『天国』<ノマド>で最終的に出会えたと考えるとそれもエモい
ラストのジョシュアのこれで天国に行けるというセリフはほんとに泣ける

・日本語について
日本語について批判があったが,他の映画より理解できる範囲であったしギャレスの日本愛を感じれた
また2070年のニューアジアを舞台にしている為,今の若者言葉が派生したらそーなるのでは?と思うとこもあった
ラストの<ノマド>に対する『もういや 遊牧民』はさすがに笑てしまったが笑

・天才的演技マデリンちゃん
語らずにはいられない,マデリンちゃんだが,今まで観てきた俳優の演技の中で1番と言っていいほど素晴らしかった
キャンディー!とかのシーンは可愛すぎたしニット帽姿も可愛すぎたしそれでいて演技はオスカー級の泣かせ方をしてくる
ラストの村人から称えられ笑顔で<ノマド>の墜落を見上げてるシーンは今後の映画界への希望にも見えた
ずっと応援してきたから勝手に親のような感覚で見ていたが,大画面で観れて本当に幸せだった

・実は大切な冒頭シーン
この映画のご都合主義は映画冒頭のシーンよりスチームパンク的世界だと分かる為,全く問題ないだろう
少し細かく書くと今作は1940年にAIが誕生し今私たちが生きる世界とは別の科学の発展をしてきた世界が舞台
どこかレトロを感じるのはギャレスが"AppleなどではなくSONYが主流であった世界線"を作りたかった為だろう
AIロボットの造形もSONYらしさが見える

・映画の製作方法
ギャレスはSF映画には珍しいグリーンバックをできるだけ使わない手法を取った
主に東南アジアを中心に東京などでも実際にロケ地で撮影しそこにVFXを付けるという手法を使ったことで,自然,街との融合を図った
セキュリティが甘いとか,敵役が弱いとか,Dream Onが流れて欲しかったなどの多少の文句はあったが,間違いなくSF映画の最高傑作だろう

・小ネタとしてLAX(ロサンゼルス国際空港)の電光掲示板が映るシーンで,行き先としてSCARIF TERRITORY(スカリフ領域)と書かれている
これはギャレス・エドワーズ監督の前作ローグ・ワンにでてくる惑星の名前
※パンフレット神すぎます
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