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ペルリンプスと秘密の森のmiraのレビュー・感想・評価

ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)
3.0
「きっと生活が豊かになりますように、そして自分の子供が何不自由なく成長をしてくれますように、と願ったことがいつの間にかに忘れてしまって誰かと争わなければならないことになってしまった。なぜこうなったのだろうか?」という感じですごい話だった。映っていることはブラジルという国についてかもしれないが、すべての国(&時間)に通底する普遍的なテーマだと思う。『父を探して』から引き継がれる人類史。

物語的には『父を探して』から通底する社会性、また一個人の想いから広がる意義みたいなものを感じるし、さらにブラッシュアップされたものだと感じた。話はよかったし、色彩感覚および美術の点は素晴らしいの一声。アニメーションのマジックが生まれていた。2人がペルリンプスを探すくだりで横からの俯瞰ショットになったとき、手前に木々をわざわざ映して奥に2人という構図をとっていた。これは後々わかるが観察者がいるということの布石であり、シリアスさを担保していたといえる。ただどうしても「逃げること(隠れること)」、「探すこと」がキーになるのであればもう少しバタバタした活劇が見たい!もっとシリアスに『宇宙戦争』して、あの2人が大胆にラジオを奪い合う姿を見たかった。
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