MasaichiYaguchi

ペルリンプスと秘密の森のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)
3.8
ブラジル出身の気鋭監督アレ・アブレウが、巨人による破壊から魔法の森を救う謎の存在「ペルリンプス」を探す2人のエージェントの冒険を独自の色彩表現で描いた長編アニメーションは、子供時代から大人の世界に入っていくということを寓話的に描く。
テクノロジーを駆使する太陽の王国と、自然との結びつきを大切にする月の王国、夫々の国の秘密エージェントであるクラエとブルーオは、巨人によってその存在を脅かされている魔法の森に派遣されている。
魔法の森を守る唯一の方法は、かつて光としてこの森に入り込んだ「ペルリンプス」を見つけること。
正反対の世界からやって来たクラエとブルーオは対立を続けていたが、共通の目的の為に手を組むことになる。
しかしペルリンプスの手がかりを追う彼らを待ち受けていたのは、思いがけない結末だった。
映画は、めくるめく色の洪水のような色彩表現で描かれ、思わず息をのむ。
ティザーポスターにある「ひとりぼっちじゃないって素敵なこと」というコピーが表すように、異なった者同士が少しずつ歩み寄り、分かり合っていくことの美しさを伝えていく。