やゆよ

パッチギ!のやゆよのレビュー・感想・評価

パッチギ!(2004年製作の映画)
3.3
初っ端からコメディ感全開でめちゃくちゃ面白かったし後半になるとめちゃくちゃ感動する。最初みんな泡吹いたり、倒れたりしてて薬やってんかと思った。それと髪型どう考えても変でしょ。めちゃくちゃ笑った。親善試合のサッカー中に相手の顔面蹴っ飛ばしてもうそこから乱闘。押忍押忍ばっかり言っててって何やってんだおバカー思いましたね。セリフが日本語で喋ったり韓国で喋ったりしててなんでだ?って思った。普通に日本人と喋る時だけ日本語にすればいいのに朝鮮人同士でも使い分けてたのでなんか意味あるんか?って思いました。単純にキャストがほとんど日本人だからあんまり韓国語使わなかっただけなんかなって思いました。韓国語のセリフ発音とか覚えるの大変そうだった。
あとキャストがめちゃくちゃ豪華でびっくりしました。知ってる顔めちゃくちゃありました。桐谷健太さんとか真木よう子さん沢尻えりかさんに江口のりこさんオダギリジョーさんに大友康平さんとか!皆さん若々しくて沢尻さんとかめちゃ可愛かったです。他にも沢山いますけどこの方も出てんの!って思いました。
イムジン河のデュエット良かった。音楽家の力って凄い。いい感じに2人の距離縮まっててこのままハッピーエンドかと思ったけどそう簡単にも行かない。もし結婚するってなったら朝鮮人になれる?と聞かれて簡単にうんとは言えないよねー。そんなもどかしい気持ち。距離を縮めるために必死に練習したギターを叩きつけ川に捨てる。その後ラジオで歌うイムジン河はめちゃくちゃ感動した。国境超えましたね。
劇中川を渡るシーンが度々出てきたけど僕は川を国境に見立てているんじゃないかなって勝手に思ってました。フルートの練習してる沢尻エリカのとこに塩谷さんが川を渡って行くとこも国境超えてんなーって思ったし、日本と朝鮮が川跨いで喧嘩してんのもなんかそういう意味があるんじゃないかと思いました。
それと単純な疑問で「パッチギ」ってどういう意味なのかと思って調べたら「突き破る、乗り越える」「頭突き」という意味があるそうです。だからこれがパッチギじゃ!って言って頭突きしてたんかって思って納得しました。そういう意味でも国境を乗り越える的な意味も感じられなくもない気がします。
最後変な韓国語吹き込まれてて面白かった。
波岡一喜さんのインタビューによると撮影初日から現場でボコボコにされていたそうです。「学芸会やな。もう学芸会やめろ!」「リアルなお芝居をしろ。リアルやけど日常やっていることをここでするな」と言われていたそうです。すごく難しい事言われてるなって思いましたけどこれができるようにならなきゃなだめだなって思いました。波岡さんも当時はこの意味が分からなかったそうですが今ならよく分かると言っています。
他にも「普通の日常のことをやっているわけではない。映画を撮っているわけだからプランをもって来い。なんとなく台本を読んで来るな。セリフを覚えてなんとなく来るな。ちゃんと自分でこういうことをやろうというプランを自分で引き出しを作って、こういうことをやろうと決めて現場に来い。何も用意していませんよみたいな空気で来て、ちゃんと自分の考えていることをやれ」とか「お前はただ覚えてきていることをやっているだけや。ト書き読んでいるか? ト書きをちゃんと読め。セリフは誰でも読む。ト書きもちゃんと読んでト書きに書いてあることをやる。で、ト書きに書いてないこともやる。それが大事やねん、お芝居ということは」と言われたこともあり今でも凄く覚えている大切な言葉だそうです。僕もこのお話を聞いてお芝居する上でめちゃくちゃ大事なこと聞いたなって思いました。聞いたところで簡単にできることでは無いけど知識として持っていて意識する事はとても重要な事だと思いました。他の出演者の方もよう怒られていたそうで真木よう子さんとかも怒られていたそうです。その時既に有名だったオダギリジョーさんは「そんなに怒られて羨ましい。いい経験になる。」と言っていたそうです。たしかにいい経験かもしれないけど怒られている当人は必死で大変だったろうなって思いました。でも沢尻エリカさんは「ええよ、エリカ。可愛いなあ。エリカOK」と監督がえこひいきしていたそうです。でも出来上がった作品みて波岡さんは確かにエリカ抜群だなって感じたそうです。
今みると豪華なキャスト多いなって感じますが当時はそんなに知名度ない人が多くて撮影仲間同士でみんなで有名に慣れればいいねなどと話していたそうです。井筒監督も「俺がオファーしても忙しくて出れないくらい有名になれ」って仰っていたそうで今それが現実となっているので凄いなって思いました。
波岡さんは撮影期間の2ヶ月で約7kg体重が減ったそうです。地獄の2ヶ月だつた。もう二度と出来ないと仰っています。でもその2ヶ月がなければ今の自分は無いとも仰ってやはり今となってはいい経験になっているんだなと思いました。
また桐谷健太さんもインタビューで監督のことを「確実に自分の人生を変えてくれた人」と仰っています。桐谷健太さんも波岡さんと同様にメチャクチャに怒鳴られていたそうです。「このシロウトがっ!」とか平気で言われたり「健太、なんか面白いことやれ。はい、本番!」みたいな指示も出ることもあったそうです。もし自分こんなこと言われたらって考えるとゾッとします。桐谷さんは考える間もなく直感でやってみたら「面白いやんけ。それでええんや」って言われてそのおかげでテストからどんどん自分のやりたいことをアピールするようになったそうです。やりたいことを全力でやってみたらええんやってことを教わったと思うと仰っています。
井筒監督の現場って、この作品って色んな人のターニングポイントになっているんだと思いました。
自分も負けずにやりたい事やってみて成長していきたいなって思いました。
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