井筒和幸はお茶の間での毒舌映画マニアなキャラとは打って変わってアート系の監督だと思う。根岸吉太郎、池田敏春、高橋伴明と並んでATG、日活ロマンポルノ経由の人なので。
かつて『ガキ帝国』や『岸和田少年愚連隊』で見せたキレッキレな画面構成や豪快なアクション演出が、本作ではなぜか万人ウケを狙ってて全体的にパンチが弱い。
在日コリアンとの抗争や社会問題を取り扱っている割には単なる「美談」みたいな内容に成り下がっている。ヒロインの沢尻エリカは可愛いが、あまりに声高にメッセージ性を叫びすぎている嫌いがある。
まあ、この程度の出来じゃ典型的なダサいサヨク映画と言われても仕方ないんじゃないかな?この監督らしい暴力描写も生ぬるく、物足らない感じだった。随所にフォークルの曲を使う辺りに井筒和幸らしいイデオロギーが垣間見れる。
全体的になんだかシックリ来ないのは一般客に合わせ過ぎてるからかな?もっとラジカルに❗️