シャンパンに溺れて醜く太った豚の為に歌うのなら…僕は前戦に戻って仲間の為に歌う!
第一次世界大戦中の奇跡の実話。
1914年12月24日。昼。
フランス北部の前戦。
攻め入るドイツ軍。
農村地帯を死守したいスコットランドとフランスの連合軍。
たった100メートル離れた塹壕に、それぞれが身を伏せて、ほんの少しでも顔を上げれば敵の銃弾が飛び交う。
スコットランド軍の兄弟。
ジョナサンは戦死した兄に未練が残る。神父は救護で従軍。
ドイツ軍の声楽家シュプリンクは、プロイセン王のヴィルヘルム皇帝の将校の前で歌え、と前戦から一旦戻るが、夫人のアナを連れて前線に戻る。
アナは“皇帝の通行証”を持っていた。
クリスマス・イブの夜。
疲弊した兵士達。
家族に会いたい。
休息が欲しい。
死んだ戦友を弔いたい。
そして…スコットランド軍から鳴り響くバグパイプの音色。
ドイツ軍の声楽家シュプリンクが呼応して美声を響かせる。
各国の小隊長の、中間地点で頂上会談。
『今宵は休戦』
全能の“父”の元、神父の執り行う「臨時ミサ」に集う兵士たち。
紅一点のアナが、ミサに華を添える賛美歌。
スコットランド軍のジョナサンだけは、兄を殺した奴はドイツだ?(←換骨奪胎系の古典ギャグ)
…と目を光らせる。
敵国とのクリスマス・イブ。
それは馴れ合いなのか。
和平行為か。
騙し討ちの手段か。
戦争映画に有りがちですがドラマの起承転結の「起」まで、約40分。
前半は退屈です。
帽子で、どの国か見分けが付くので割と見易い。
戦争の愚かさを存分に描いた秀作。