クリムゾンキング

人体の構造について(原題)のクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランスのある病院に勤務する医療従事者の姿を追ったドキュメンタリー。

ヤコペッティとかデスファイルとかのノリで観たけどごめんなさい。医療に関わろうとする人やインターン研修などで見る映像資料とでもいうべき非常に真面目なドキュメンタリーだった。

冒頭から「48時間に脳死を宣言するか、(人工呼吸器の)管を抜くか」という慣れていないとかなりハードな選択肢を見る人に叩きつける。

また、脳の手術や眼内レンズ挿入、帝王切開、前立腺手術、側湾症手術など様々な施術を(一部とはいえ)見ることができる。
驚くのは大抵この手のドキュメンタリーは手術室の外から医師の手元や顔のみを映すのがほとんどだと思うが本作は施術室内の記録映像や内視鏡の映像をガッツリ映しているところ。

眼内レンズのくだりなどは申し出れば見学はできる(もちろん家族のみ)とはいえそれ以外はほぼ一般人からしたら未知の領域、こうして人体はできているのか、と興味が湧く。

また慢性的な人手不足に悩み愚痴をこぼす医師や、「出血が酷いから吸入機で吸ってくれ」「すいません床に落として今組み立ててます」「レゴでも作ってんのか!?いいから電気メスよこせ」「すいません床に落として、、、」「いい加減にしろ!」と、いや何度床に落としてんだよwという感じではあるが、流石にここまではないにしても「この器具ないからこっちで代用な」とか「そっちの器具じゃない!」とか「ちょっと状態悪いから手術延期で」とかっていう会話は手術中もそれなりにあるので「あーw」と言った感じ(医療従事者たちの名誉のために言っておくがあくまで笑い話程度済んでるだけでみなさん事故が起きないように細心の注意を払って施術に当たってくれていることをここに明記しておく)。
むしろあんな細かい作業よくできるな。という感じである。

その他でも、エンバーミングの様子や認知症患者の対応など、対人援助職としてのあり方を考えさせられる場面もあり、キワモノの映画、と思わず一度観てみることをお勧めする。