MASCHINEが欲しくなる映画でした。
話は、天才がフックアップされていく物語で、あまり新鮮な描写はありません。
キャラクターも魅力的な人物が少なく、全体的に華の無い作品という印象です。
原作だと、ヒロインの絶妙なかわいさと狡さ、主人公の孤独ゆえに成立していた空間がヒロインの登場で打ち崩されたことによる揺らぎが愛おしくなるようなエモさがありましたが、実写だと主人公の不器用な男像が漂白された人間味のないもので、返って現実感が薄く、エモとは少し遠くなってました。かっこいいんですけどね。
主人公の人がアイドルの方らしいので、かっこいいんですが、自分的には、キャラクター性も含めてベーシストが一番かっこいいなって思えました。ここらへんの友情が感じられる描写があったらこの2人をもっと好きになれたかもなぁと思います。
自分は音楽に少し興味があるので、とても気になったんですが、
途中でバンドメンバーが増えていくところで、ベーシストと一緒にセッションするシーンは明らかにグルーヴが熱を帯びて、バンドでやった方が絶対に良い！と思えるシーンになってるんですが、ドラマーはあのバンドの音楽性にマッチしているとは思えませんでした。
ヒップホップのビートを生バンドで再現するにはそれなりに工夫が必要かと思うんですが、そのハードルを超えられているようには思えませんでした。具体的には、非常に空気を含んだドラムで、元のサンプリング感を残すために音像をタイトにするという工夫が感じられず、結果として原曲が持っていたグルーヴを再現出来ていないと感じました。
また、ヴォーカルは、正直言って無い方が良かったと思います。原作がそもそも歌うキャラなのであれなんですが、もっとトラックメーカーに振り切ったキャラクターだった方が後に作家に専念させられる描写にも納得感強いかなぁと思います。
総括すると、原作を結構短くまとめるために省略してるところ多いけど、あの感じを実写で観れる！ていうので結構好きな作品でした。あとは漫画と出会わせてくれてありがとうという感じ。死ぬまでもう2〜3回観るかも。
感想長すぎですね。すいません。
