マルジナリア

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーのマルジナリアのレビュー・感想・評価

3.7
“Male Gaze”(男性の眼差し)が映画芸術・映画産業を支配している — ここではやや図式化、単純化されすぎた感も否めないが、重要な問題提起であることに変わりはない(安易に踏み込めないですが、第一にフェアネスの問題として) ただメンケスは、アケルマン、バーバラ・ローデン(『Wanda』)、カトリーヌ・ブレイヤ(『処女』Fat girl)、アニエス・ヴァルダ(『冬の旅』)らの作品を言祝ぐ一方で、(ここでは議論の対象から外されているが)、ドライヤー(『裁かるゝジャンヌ』)、ブレッソン(『バルタザール どこへ行く』)、タルコフスキー(『アンドレイ・ルブリョフ』)、カサヴェテス(『こわれゆく女』)らの作品も称賛している。彼女がクライテリオンのベスト10企画でセレクトした映画のラインナップと、そのコメントをよむと、ほんの短いものだが、とても明晰で伝わるものがあった。