見逃していた怪作。劇場鑑賞を諦めていたが、刈谷日劇さんで超ロングラン上映が続いていると知り、旅行先で鑑賞。
一見して水島新司作品のパロディのようなビジュアルであるが、野球と復讐劇を組合せた予測不可能な方向に物語は転がる。主演・森山さんの鋭い眼差しが生む緊張感とのアンバランスさも良い。
本作の醸し出す異様なテンションは再現性がゼロに近く、基本的に狙って作れないものだろう。優れた映画=完璧な設計という見方は否定しないが、映画というアートフォームは製作過程において偶発性が生まれやすいものである。
こういう空気感が内包されたものもまた映画だと思う。