すえ

ナボンガのすえのレビュー・感想・評価

ナボンガ(1945年製作の映画)
3.3
記録

なんだこいつは!キングコング?ビッグフット?いやいや、ナボンガだ‼️

“史上最低のゴリラ・コスチューム”と評される今作、クソ映画好きを名乗るのならば観なければと思い鑑賞。これを配信するアマゾンプライムさん、本当に意味がわからない。守備範囲が広すぎる、イチローかよ。

正直、画面が見えにくいところはあるがこの暗さが上手く作用している場面もあり、この画のコントラストは個人的には好み。

何とかしてジャングルの危険な雰囲気を出そうと色々と頑張っている。単一のショットに役者と野生動物の二者が包含されないから、映画空間における真実性は低いけど、野生動物の資料映像と役者のショットを交互に写すことであたかも野生動物と対峙しているかのような印象を与えている。
一見本物かと思われたワニとの格闘シーンも、おそらくゴム製で出来た偽物だろうが、しかしそれにしても上手くやっている。

格闘シーンの早送りはスタイリッシュさの演出に一役買っている、サウンドを銃声でかき消し破壊する演出も中々カッコイイ。アクションは数回出てくるが、どれも生々しいのにキレがあって良い。

白い魔女(ジャングルの女)が、ジャングルで育ちまともに人間に育てられなかったが故に善悪の判断がつかないというシークェンスがあったが、この時代にそういった発達の環境要因の影響の大きさに触れてるのはかなり凄いんじゃないかと思った。1944年だぞ、意外と最先端な映画だな。

ゴリラの鳴き声は何で作っているんだ、予想が立たない。ずっと聞いてると頭がおかしくなりそうなイカれサウンド。
そしてゴリラの名前がサムソンなのはなんなんだ、ナボンガは一体どこのどいつなんだ。

“80,000,00人のアメリカ人映画ファンへの呼びかけです!この劇場で販売されている戦時中の切手や国債を購入してください”
最後にこんなテロップが出る、時代だなぁ。

結局、ナボンガって何…?

2024,15本目 1/24 AmazonPrime
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