庵野監督作品は、シンゴジラ以外の実写映画を見たことがなかったので、シン・エヴァやプロフェッショナル以降、庵野監督の事が気になってしまい、今作も鑑賞してみました!
まず驚いたのが、今作は実写映画なのですが、カットの構図や演出がめっちゃエヴァ!シン・ゴジラっぽさもある。これは完全に庵野監督の作家性なんですね。冒頭数分のカットを見れば、その庵野節に驚くと思います。いつもの特徴的な明朝体もかっちょいい。あのフォントほしい。
どこで一時停止しても絵になるような、シンメトリックでめちゃくちゃかっこいい構図。なめるようなカメラワーク。そこにカメラ置く?というような実験性。20年以上前に、Goproで撮影したような映像を既に撮影されています。
先日のプロフェッショナルで「アニメはアングルが大事」とおっしゃっていましたが、実写でも相当アングルにこだわってますね。
ちなみにウィキペデイア情報によると、上映時間110分に対して撮影時間はなんと160時間!!やっぱり庵野監督、只者じゃない・・・スタッフの皆様、ご苦労さまです・・・
内容に関しましては、女子高生の援助交際についてを扱う作品なのですが、ちょっと時代を感じますね。90年代後半なので、いわゆるコギャルってやつですかね?
基本的には、淡々と物語が進んでいくのですが、ところどころ主人公の精神世界が描かれるシーンは、エヴァのTVアニメ25話26話的な要素だったり、映画のセットのような場所での撮影からは、シン・エヴァ要素も感じました。
登場する人物達のアクの強さにもびっくりで、特に印象的だったのが、手塚とおるさんが演じるウエハラという役。平成ガメラの3作目でも、比較的変態めなキャラを演じていた手塚さんですが、今作のキモさは相当振り切ってましたね。(褒めてます)
声だけの出演で、レイ、ミサト、カヲルの声優さんが出てくるのもサプライズで、エヴァファンとしてはうれしかったです。
あとエンディングが超かっこいい。数人が横に真一文字になって、手前に歩いてくる描写フェチなのですが、「あの素晴らしき愛をもう一度」に合わせて歩いてくラスト→EDはかっこよすぎました。
シン・エヴァに庵野監督の過去作品の要素がかなり濃く反映されていることが最近分かってきましたので、シンウルトラマンやシン仮面ライダーも間違いなく世界観を共有してくる可能性があります。庵野監督研究を続けようと思います。