shiori

ラブ&ポップのshioriのレビュー・感想・評価

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)
4.3
最近人間の欲と理性について考えることが多くて、(当たり前だけど)そのバランスがその人の考え方とかキャラクターに直結してるなあと思う。

可愛い!と思った指輪が欲しくて、指輪を手に入れるための手段として思い浮かぶナチュラルな選択肢が援助交際で、そこには特にネガティブな気持ちはなかったんだろうなあって。
しゃぶしゃぶを一緒に食べたらお金がもらえて、咀嚼したマスカット4個渡したら12万もらえて、指輪のためにお金が欲しいっていう欲求を叶えるのにかかる労力がほぼなくて、単純に楽だから?

けどそうやって援助交際をしてる中で、どこかで感じる違和感を見ないようにしてるのか、そもそもそこに違和感は感じてないのかまでは分からないけど、
マズローの5段階欲求説を借りると、個人的にはそれが高次元に上がれば上がるほど、かかる労力が大きくなっていくと思っていて、
(労力をかければ必ずしもより上の段階に上がるって訳でも、労力かけないから上がらないとかって訳じゃないと思うけれど、)どこか相関関係もあったりするのかなあと。

ってなった時に、4人で咀嚼したマスカットで得た対価の12万を、言語化できないながらも受け取らなかった彼女は、違和感を言語化する労力をかけたことを皮切りに、次の欲求段階にスライドしていったのかなって思った。
(そもそも何を良しとするかも人それぞれあるし、自己実現欲求まで叶える必要はないって人だってもちろんいると思うけど)

とりあえずめちゃ面白かった、良い意味ですごく気持ち悪かった。
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