ShinMakita

貴公子のShinMakitaのレビュー・感想・評価

貴公子(2023年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.2
☆Filmarks基準スコア:3.5



フィリピンの地下ボクシングで糊口を凌ぐ貧しい青年マルコは、病身の母を看病しながら父親を探している。マルコは「コピノ」で、父の素性を全く知らずに育ったのだ。ある日、韓国系フィリピン人支援団体から父親が見つかったと告げられる。なんと父親はソウルにある巨大財団の総帥。病気で動けないが、ぜひともマルコに会いたいというのだ。父の代理という弁護士がすぐさまやってきて、ビジネスクラスの飛行機に乗せられたマルコ。だが、機内で声をかけてきた男の言葉が気になった。「君は死にに行くんだよ…」という男は、やたらと身なりに気を配る貴公子然としたイケメン。この男、ソウルについたあともなぜかマルコを尾け回し…


「貴公子」


以下、僕は生涯最後のネタバレだよ。


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「新しき世界」「魔女」のパク・フンジョン監督作品。シンプルながらも謎めいたプロット、そして特異なキャラクターで惹きつける一本でした。どんな映画?と訊かれたら「そうね、及川光博がターミネーターになって追っかけてくるみたいな映画」と答えてあげましょう。嘘にもネタバレにもならないし(笑)

フンジョンさんのこれまでの映画にはあまりなかった要素…ユーモアが本作の特徴でしょうか。物語が進むにつれてどんどんギャグになっていくのが面白い。貴公子くん、あの笑顔が不気味すぎるけど、次第に好きな顔になります。若い頃の石橋凌みたいな、チャーミングだけど凄味のある笑顔。雨が降ったら追跡を諦め、足の擦り傷を異様に痛がるというワケわかんないとこも好きだなぁ。

確かに「新しき世界」や「VIP」のような非情さ渋さを期待したらダメな作品ですけど、単純な娯楽アクションとしては普通に楽しめる一本。
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