爆裂BOX

フロストバイトの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

フロストバイト(2006年製作の映画)
3.3
女医のアニカと17歳の娘サダが越してきたラップランド地方の小さな田舎町。ある時、町の病院から謎の赤い錠剤が流出。ドラッグと思ってパーティーで服用した若者達はヴァンパイアと化し…というストーリー。
スウェーデン発のヴァンパイア映画です。主演は「ロッタちゃんと赤い自転車」から始まるロッタちゃんシリーズでロッタちゃん演じたグレテ・ハヴネショルドです。
アニカは尊敬していた遺伝学の権威ベッカート教授のもとで働くことになるも、教授は謎の赤い錠剤を患者を使って実験していた。その錠剤を研修医セバスチャンが持ち出して服用し徐々にヴァンパイアに。更にドラッグと思って盗んだ若者達がパーティーで服用し、パーティーに誘われていたサダも巻き込まれてしまうという内容です。
冒頭、戦争映画かと思うような大戦シーンから始まり、ドイツ軍に北欧義勇兵として参加して、師団からはぐれた兵士たちが避難した山小屋でヴァンパイアに襲われるシーンから始まりますが、最初意味不明ですが後に繋がっていきます。
ここから現代に飛んでストーリーが進行していきますが、ヴァンパイアに人襲われたり、その犠牲者が杭刺されたりしますが、若者達がヴァンパイアになったり暴れだすのが後半の方で前半は転校初日のサダがパーティーに誘われたり、赤い錠剤呑み込んでしまった研修医セバスチャンが徐々にヴァンパイアになったり、アニカがベッカート教授の秘密に近づいて監禁されたりと複数の話が同時進行していくのでこんがらがりそうになる所あります。
セバスチャンのヴァンパイア化していく所は結構コミカルな感じで描かれて楽しくて個人的に前半飽きずに見れた要因ではあるかな。感覚が鋭敏になっていくのはありきたりだけど、犬と話せるようになるところは笑いました。特に彼女の飼い犬のパグが性格悪くて面白かったですね。彼女の家に会食に行ったら父親が神父で壁にかけられてる幾つもの十字架にギョッとなったり、握手して手を火傷しそうになったり、ニンニク料理振舞われて堪らず吐いちゃう所は面白かったです(笑)鏡に映らなくなったりヴァンパイアとしては古典的な感じかな。ベッカード教授が変身した姿は「ザ・ゲート」のミニオンみたいなクリーチャー感強い姿でしたが、車のライトで怯んだり案外弱かったな。後なんで全裸の上に白衣?(笑)
極夜の町を舞台にしたヴァンパイア物というアイディアは「30デイズ・ナイト」の映画版より先ですが、この設定は活かされてなかった気がしますね。ほぼ一日の間の出来事みたいだし。
錠剤をのんだ若者達がヴァンパイアと化してパーティーが血塗れになっていく所は盛り上がってきた感じがありましたが、どちらかというと並行して描かれるアニカと教授の戦いの方が比率多めだったかな。パーティー開いてる家の壁や屋根を這い回る所は面白いですね。
主演のグレテ・ハヴネショルドは可愛かったですね。でも、ジャケットだとガンガン戦いそうな感じだけど、普通の女子高生の役だからか逃げ回る方が多めで戦うシーンは少なかったですね。
駆け付けた警官達をヴァンパイアと化した若者達が取り囲んで盛り上がってきそうなところで終わったのは勿体ない。あの後は「30デイズ・ナイト」みたいなことになりそうだけど。何とか助かったと思ったサダの末路も含めて投げっぱなしな感じで終わりましたね。
ヴァンパイアが本格的に暴れだすまでが遅めですが、コメディ成分もあって個人的にはそれなりに楽しめました。