ぽち

座頭市兇状旅のぽちのレビュー・感想・評価

座頭市兇状旅(1963年製作の映画)
3.4
3作目よりは少しシリーズのカラーが固まりかけて来ているが、まだ試行錯誤している感があり見慣れたキャラクターとはちょっと違う。

ストーリーはヤクザ映画的ではあるが、市の心情を描いており見せ場なども含め整理されていて良い出来だ。

今作では勝の刀さばきの素晴らしいシーンがある。徳利を切るところだがフィルムを早回ししているのではと疑うほどのスピードとカッコよさ。椿三十郎のラストの殺陣に匹敵する見事さだ。

それにしても仕込み杖と言うだけでもかなりトリッキーなのだが、その上柄の部分に「仕込み打刀(しこみうちがたな)」まで付いているとは・・・
「でも、普通に使っているとき抜けて飛んで行かないのか?」などとつっ込んではいけない。素直に驚いておこう。

惜しいのが今作のラストシークエンス。完全に蛇足。
蛾十郎との決闘が終わりその場から去るところで終わるべきだった。
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