たぶん今のところ業界唯一のキラーアドベントカレンダーホラー
from フランス＋ベルギー

車椅子の女子が「途中でやめたらぶっ殺す」って書いてある殺人アドベントカレンダーを毎日開けながら、連動して起こる不穏な出来事と共にクリスマスまで過ごす話
呪物＋クリーチャー要素もあったりして楽しいよ
グロは微少

2021年12月4日 SHUDDER

・ジャンル
クリスマスホラー/ダークファンタジー/スリラー

・あらすじ
元バレエダンサーのエヴァは自動車事故の影響で対麻痺を患って以来、車椅子での生活を余儀なくされていた
周囲からは心無い言葉を掛けられる事もしばしばあり孤独な日々を送っていた
そんな中、彼女の誕生日である12月3日にドイツに滞在中だった唯一の親友ソフィーが一時帰省し彼女を訪ねてくる
誕生日プレゼントがてら渡されたいくつかの土産品、その中には奇妙なアドベントカレンダーがあった
お菓子を1つ食べたら全て食べなければ殺す
最後のドアを開けるまでルールを守らねば殺す
これを捨てたら殺す…
そんな物々しい言葉がそこには刻まれていた
エヴァは当初、それを冗談めいた物と捉えていたが実際にドアを開きお菓子を食べ始めると彼女の人生にその都度異変が起こり始め…

・感想
クリスマスまでの日々、ドアを開きお菓子を食べていくアドベントカレンダーを題材としたオカルトホラー

単に恐怖に巻き込まれる、というのではなく明確なルールが存在していて自分に良い影響を与える事も出来るが代償もそこには存在するというのを割と上手く利用した内容になっていたと思う
アドベントカレンダーの魔力の源であろう“ICH”という怪異のビジュアルがやけにチープだったり、直接的なゴア描写が避けられていたりとB級感も感じられるもののオチまで観ると考察の余地があったりと案外しっかりしている(具体的には「ひょっとしてエヴァの父も…？」という事)

また怪異であるICHはともかく全体的に映像の薄気味悪いがどこか美しいダークファンタジー的な映像美もこの手の作品にしては凝っていて飽きさせない要因として大きかった
それだけにアドベントカレンダーの魔力をもっと繊細におぞましく表現出来ていたら…という残念さはあった
ストーリーが特段目新しい訳ではないけれどそういう様式美の徹底さえされていれば良作になり得たかな、と

• #クリスマスホラー