Chris

変な家のChrisのネタバレレビュー・内容・結末

変な家(2024年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

終始何を見せられているのかと疑問だった。ミステリー要素、ホラー要素どちらももう一つな出来だ。観終わって改めて考えるとツッコみたくなるような点がいくつも存在する。
そもそも人殺しのための間取り自体が、納得いっていない。子供を監禁して抜け道を作り、人を殺させるのは非効率的だ。それが儀式のためならばなぜその形式を取らねばならないのか詳しい説明を求む。前提となる部分であり、ストーリーの根幹にも関わる部分でもあるこの間取りに引っかかってしまったがために物語を楽しめなかった。
序盤はまだ良かった。不気味な家の呪いが得体の知れない霊的な何かかと思えば人怖系へと変わって引き込まれた。しかし村の一族の風習的な内容に変わったのは嫌だった。シフトチェンジが急だったのとその後のストーリーが雑で早く、置いていかれる気持ちになった。
謎が徐々に明らかになって行くのがミステリーの醍醐味だ。しかし一気にネタばらしを喰らってまともに理解し切れていないまま終わり、さらにいらない謎を残した。まるで楽しめたものじゃない。
また主人公の雨宮も実に味気ないキャラスターだ。彼はなぜ配信をしているのか、なぜそこまでしてか片淵家の謎を突き止めたいのか一切わからない。野心家である素振りもなく、バックストーリーもない。さらには栗原なしでは何の調査もできない無能ぶりである。彼のどこに魅力があるのか考えても一生見つからないだろう。片淵の薄気味悪い叔父に銃で追い詰められたときも印象に残らないペラペラのセリフを発していたが、全く心に刺さらなかった。興味のないキャラクターが相応の芯のないセリフを吐いたところで面白みがあるはずない。
他の登場人物も動機、行動に明確な理由や説明がなく、魅力がなかった。ミステリーやホラーなど様々な要素を詰め込んでいるがどれ一つ処理できていなくて中途半端だ。原作は読んでいないため分からないが、映画としては駄作だった。
Chris

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