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変な家のナツのレビュー・感想・評価

変な家(2024年製作の映画)
3.5
公開からそれなりに日数が経ってから
見たが、館内はギッシリだった。
興行収入も高いらしく早くも続編の噂。

オカルト系YouTuberの主人公は再生回数が
減少傾向にあるところ、マネージャーから
奇妙な一戸建ての見取り図を渡される。
ミステリ好きの設計士から恐ろしい仮説を
聞かされ、それをネタに動画を上げると、
その家に心当たりがあるという女性から
連絡がくる。さらに見つかる“変な家”。
主人公は意を決してその家に侵入するが…

『怖かった!ミステリよりもホラー!』
という声を聞いてから観に行ったので、
それほど怖くもなく楽しめたけど、何度か
びっくりはさせられた笑。怖がらせ方は
完全に“お化け屋敷”方式で、薄暗い所で
突然の大きな音や怖い顔で脅かす感じ。
情報や静けさで怖がらせることはない。
その意味で、ホラーとしてはもうひと工夫
欲しいところだ。

ミステリとしては、王道ともいえる古い
因習が残る田舎の過疎村が舞台。
『犬神家の一族』『八つ墓村』等を筆頭に
その後現代ミステリ作品でも多用される
モチーフである。正直、これが急に古典に
回帰した感があり、主人公が動画配信者で
ある必要性がない。どうせYouTuberなら
もっと現代的な話にしてほしかった。

佐藤二郎さんの演技がさすが。オタクぽく
早口で恐怖の仮説を捲し立てたり、背中を
丸めてちまちまとメモを書いたり、綺麗な
フルーツパフェをぐちゃぐちゃに混ぜたり
細かい仕草にもそれらしさが漂う。

川栄李奈も不健康なまでに肌を青白く作り、
不気味で現実味のなさを感じさせている。
この人の正体がわからなくなる場面が1番
ぞくっとしてミステリっぽかった。

小さい画面だと怖さは半減するタイプの
作品なので、びくっ!としたい方はぜひ
劇場で鑑賞することをオススメする。

※なんとなく、推理要素の無い『金田一
 少年の事件簿』を見た気もする。
 ひょっとして雨穴さん、世代?
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