柏エシディシ

ダンサー イン Parisの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)
3.0
クラシックバレエとコンテポラリーダンスという、ある意味対極にあるダンスのそれぞれの豊かさ、美しさをクラピッシュらしい深い人間愛に絡めて活写されるドラマ。
ダンサーの緊張感と葛藤を見事に再現してくる台詞無しの冒頭15分からして、クラピッシュらしいキレ味の演出(オープニングタイトルロールもかっこいい)で引き込まれるが、そこでお高く止まったりしない軽やかさと親しみやすい語り口は、やっぱりクラピッシュ。
演技ほぼ初挑戦の主演マリオン・バルボーの当然ながら説得力抜群の舞踏と、自然と共感を引き寄せる愛らしさ。
助演陣もいずれも素敵だが、友人の料理人カップルが特に可笑しくて好きだ。この2人で、もう一本映画作って欲しいと思ったぐらい。
アーティスト向けのレジデンスを営む老婦人も魅力的。
「わたしは歌えないし、絵も描けないけれど、素晴らしい才能を持っている人たちを支えられる」「私たちを美しい場所に連れて行ってね」ホント、そう思う。

しっかし、この手の映画だと邦題タイトルに"パリ"を付けたがる問題ありますねw
というよりフランス映画=パリ的な邦題多過ぎる。
本作もブルゴーニュの方が主な舞台で、作品の主要テーマにパリ的要素はそんなに大きくない様に思う。
まぁ、本作の場合"En Corps"なんで難しかったらと思うんですが、邦画に何でもかんでもTokyoとかつけられてたら複雑だと思うのですよ
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