こぅ

死者との結婚のこぅのレビュー・感想・評価

死者との結婚(1950年製作の映画)
4.0
100/'23

ミッチェル・ライゼン監督による、
【裏窓】のウィリアム・アイリッシュの小説の映画化で、日本未公開の佳作、【ヒューマン・サスペンス】。


男に捨てられ、列車に乗り込んだ妊婦。
親切な新婚夫婦に助けられるが、突然の…。


冒頭、
赤児を抱いたヘレン(バーバラ・スタンウィック)とビル(ジョン・ランド)の面持ちは重い。
ヘレンのモノローグでの殺人というワードと警察から電話がきて、これから来るというタイミングで回想に入り、観る者を惹きつける。

妊婦のヘレンは、スティーブ(ライル・ベトガー)というゲス男に捨てられ、手切れ金としての切符で列車に乗り込んだ。
親切な新婚夫婦と知り合う。
その新婦、パトリースと化粧室にいると、突然‼︎
気がついたら病院のベッド。帝王切開で赤児も無事だった。
これから新郎の親に初挨拶に行く予定だったパトリース。
妊婦というのは一緒だった。
その夫婦は死亡。
◯◯が目印となって成り行きで、、

ヘレンに悪意は一切ない、全ては子供の為、、
裕福な家庭、悪人もいない。バレないか、騙している後めたさ(葛藤)は常にあった。
そんなヘレン(パトリースとして)と赤児を快く受け入れてくれた家族とのやり取りは、ピュアなヒューマン・ドラマ そのもの。
亡くなったヒューの兄のビルも親切でいつしか2人は恋仲に。
時折、サスペンスの軽いドキハラが顔を出す場面もあった。

そんな 偽りの幸せ の中、邪悪が侵入し出す。
ヘレン宛 脅迫文(ブラックメール)が届く。

邪悪(恐喝)が入り込めば
対抗するしかなく、終盤は一気にサスペンスフルにシフト。

義母、グレースは心臓病でショックは与えられない。
財産目当てのその卑劣な男に最初は泣く泣く応じるしかなかった、、

ビルも協力して、ある計画を。
邪悪には邪悪。


クライマックス〜
回想から現在に戻ったラストは、世良さんに次ぐ世良さん展開で目を見張る。

メイドが預かっていた義母からの驚愕内容の手紙(説得力がある)を読む。


ヘレンの
モノローグでのエンディングも品があるな。

兎に角、
義母もヘレンも素晴らしい人間‼︎
常に自分よりも、、なのだ。
演じたバーバラの演技も光る‼︎


総評:
歪みのない善人だけの世界(深イイ奇跡話)に歪んだ悪人が1人だけ入り込んだようなドラマだった。
各キャラ立ちも構成も良い。
日本で、火サス枠リメイク してもイケると思ったら既に’60年、【死者との結婚】(小山明子主演)でされていた。

https://filmarks.com/movies/31696


「嘘でも幸せなままの嘘ならいいじゃない」
by こぅ


ACC-274
こぅ

こぅ