鉄

月の鉄のレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.4
ベストセラー作家の宮沢りえが、小説が書けなくなったので障がい者施設で働くことにしてみたという映画。

年月日的にも「さとくん」という名前的にも明らかに相模原の障がい者施設殺傷事件がモチーフになってる話だと思うんだけど。観てて思ったのは、磯村勇斗演じるこの「さとくん」は最初は主人公の洋子さんみたいに、施設の異常さを指摘していた人なんだけど、まともでいようと思っている内にどんどん狂ってしまったという点についてで。

実在の犯人であるところの植松聖がどうだったかは分からないけど、個人の問題というよりは社会全体に内在している、障がい者に対する向き合い方や施設の在り方が事件の根本的な原因なんじゃないかな、という風に思わざるを得なかった。かと言って、社会全体のせいにしたらそれで終わりというのも違うし、さとくんをずっと馬鹿にしていた先輩らの行動は間違ってるし…観てて絶望しかなかったのでした。

回転寿司で玉子食べるだろ!
鉄