国家権力

月の国家権力のレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.0
重度障害者施設で働くことになった、とある事情により書けなくなった元作家の堂島洋子は、障害者への虐待が横行している凄惨な現実を目の当たりにする。
同僚の限界ワナビの曜子や、さとくんと親交を深めてゆくも、さとくんは施設の現実に、次第に"重度障害者に生きてる意味はあるのか"と考えるようになり、、、みたいな話。

2016年、津久井やまゆり園で発生した相模原障害者施設殺傷事件をモチーフに描かれた本作。

原作は未読。
Wikipediaによると、原作はきーちゃん視点らしく、主人公にあたる洋子は映画オリジナル要素。
というかほぼ石井監督のオリジナル作品となっている、とのこと。

日本のみならず世界をも震撼させた事件も、すっかり風化し、植松聖の名すら世間が忘れ始めた昨今。

はっきり「命の選別の是非について視聴者に考えさせる」ことを目的として作られていることがわかる。
なので、夫婦の最終決断については提示されずエンドロールを迎える。
自然と「夫婦はどういう選択をしたのか」と考え「夫婦が下したと思う結論」こそが、自分の考えになる。
丸投げっちゃ丸投げだけど、うまく機能してると自分は思った。

直前に流れた翔んで埼玉の予告のせいで二階堂ふみが出た時に笑ってしまった。
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