KAREN

月のKARENのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.7
きっかけとなった相模原の事件当時に同じ地区の美大にいた自分には、その時の友人達の反応や小さい議論が思い出される。
介護施設で働く親を持つ友人はこの事件にとても嫌悪を示していて、ガキの自分にはその友人の反応がちょっと大人に思ったぐらいの心の揺らぎだった。

映画は、最初からホラーとして描いていたけど自分としてはそれが分かりやすく、社会人になってから得た多少の教養や倫理観へのチェックみたいなものが出来たなと思った。

が、やっぱり自分以外の人とこの映画についての意見を交わすと、いかに自分が自分が持っている、ありがたい身体や環境、それにより得られている精神を軸にしか見られていないかを突きつけられて、結局、10年前の学生時代のやりとりのdéjà vuだった。

そういう意味でも、自分に裏切りをくれた作品として評価します
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