神田川長治

密輸 1970の神田川長治のレビュー・感想・評価

密輸 1970(2023年製作の映画)
4.2
1970年代の韓国の田舎町の漁村クンチョンが舞台。
工場廃水で魚や貝が取れなくなって、困った海女や漁師が手を出した密輸の手伝い。
ところが、地元の税関は密輸に気がつき、一網打尽。
海女のリーダーのジンスクは何年かムショに入ることになる。リーダーの親友の春子は逮捕される手前で姿を消してソウルで密輸の手伝いをしているところをベトナム戦争帰りの危険な連中に見つかり、殺されそうになるが、クンチョンの密輸ビジネスを紹介して、春子はクンチョンにこっそり帰省する。
出所しても稼げないジンスクの耳に春子が帰ってきたことを知る。

あースッキリしたよ。
70年代の韓国は輸入品に税金かけていたから、日本やアメリカから電化製品やタバコやウィスキーやブランデーや毛皮を苦労して持ち込んでいた時代があったんやね。

漢江の奇跡で登り調子の韓国を舞台に、男性に搾取されていた女性が大活躍するって、30年前には出来なかった題材、キムヘスをTOPに海女さんたちの泣き笑いのストーリー、楽しかったな。

ハリウッドでもできない、ましては日本では出来ないのが悲しいね。
「キングダム」とは正反対の世界なんだろうな。
神田川長治

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