このレビューはネタバレを含みます
【『モガディシュ 脱出までの14日間』『ベテラン』のリュ・スンワン監督作品で、おまけにタイトルが『密輸1970』だぞ!こんなもん手に汗握るサイコーの鉄板硬派アクションに決まっとろうがっ!…と、鼻息も荒く観に行ったら…】
………『密輸シャーク』だったでごさる🦈シャーーーック!
(漢字で書くと「密輸者苦」とかなんとか…。)
『モガディシュ』寄りのガチ本格社会派骨太アクションを楽しみにしていた私は、思いっきり背後から膝カックンを食らった気分だ。
いや確かに軍曹&独眼VSドリチン軍団(ドリのチンピラ軍団の略)のバトルシーンは至高だった…それは認める。
だが、mid70's☞エンタメ☜に全振りした脚本や演出は、私の期待とかなりかけ離れた作風で、正直なかなか評価がしづらい。
私的には…無料配信待ちでも良かったような印象。
以下、私の独断と偏見で、2024/8/14 角川シネマ有楽町14:35上映回での本作鑑賞レポートを綴りたいと思う。
◆客席の雰囲気
「霊園の説明会?」と見まごうほどの高齢層(平均年齢でも還暦超)が会場の8割を占めていた。
皆字幕が見えないせいか、前の方の席から埋まる。
会場に漂う仁丹の香り。
◆ジャンル
サメ映画🦈シャーーーック!
※若干の誇大広告
◆作品のテイスト
海女さん版の『プレイガール』(1969〜/東映/東京12ch放送ドラマ)。
但し、お色気要素は全排除!
◆BGM
'70年代の特撮物(渡辺宙明作『人造人間キカイダー』 サントラ/Jiro's guitar #1あたり)を彷彿とさせる”ストラトキャスターによるカッティング&WOWエフェクト全開”の曲調。
🎶ワカチコワカチコ🎶鳴いてて懐古厨はエモさに感涙。
◆ヒロインのジンスク(ヨム・ジョンア)
どこから見ても15年前の”松居一代”。
※私が感情移入出来なかった最大の要因。
◆ゴアシーン
前述の軍曹と独眼の共闘シーンでは、ナイフを敵の首・足・脇腹に何度もグッサグッサとぶっ刺して血だるまにする韓流ゴアシーンを披露しておきながら、クライマックスでドリがサメに襲われるシーンでは、サメがガバーッと大口開けた瞬間に………はい、カット🎬
「捕・食・シ・ー・ン・は・ど・う・し・た・ん・で・す・か?」
リュ・スンワンよ、レイティング気にして、動物による人肉咀嚼出血大サービスを封印したんか?
いや心配せんでも、こんな昭和加齢臭全開の作品、レイティング対象の10代は見に来ないからっ!
てか、そもそも作風自体がR60指定!!!
◆お気に入りのシーン
某黒幕が某女子のタックルによって海に落とされ…
”ウホッ”
…という表情のまま海底にフェードアウトしてゆく様。
カタルシスがあった。
✤✤✤
つい先日レビューした『BLEAK NIGHT 番人』にて、同級生の苛烈なイジメに心を痛める思春期の高校生 ペクヒ役を好演した当時22歳のパク・ジョンミン。
あれから14年後、まさかド屑なチンピラ役で、絶叫しながらサメに食い散らかされることになろうとは、夢にも思うまい。
(しかも、食われているシーンはおあずけw)
今後、彼の更なる飛躍を期待している。
(是非、『温泉シャーク2』に出演されたし…やるか知らんけど🦈シャーーーク!)