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手塚治虫物語 ぼくは孫悟空のSEIJISANのレビュー・感想・評価

1.0
手塚治虫先生のファンですので、先生の幼少期から青年期のエピソードに関しては「紙の砦」や「どついたれ」その他、エッセイなどで知っていますが、本作は先生の作上品の一つである「ぼくの孫悟空」を狂言回しに使用してストーリーが「超・超・超・ダイジェスト版」で描かれます。それも演出過多で。それが前半。後半は「西遊記のSF版」の物語が唐突にスタートします。それがとても面白くないから...。「伝記モノ」がやりたかったのか「ぼくの孫悟空」のリメイクがやりたかったのか全くもって意味不明なアニメーションになってしまいました。ちなみに「ぼくの孫悟空」は原作もTVアニメーションも僕は大好きです。特にTVアニメーション。とても面白いです。また、同TVアニメーションには、宮崎駿監督もアニメーターとして参加されていたとの事。ある日手塚治虫先生から「ヒロインの死をラストに描く」と言われ、「何故ヒロインを殺す必要があるのか?」と突然の指示に驚いて聞いたところ「だってその方が悲しいでしょ?」と返答されて「この人駄目だ...」と思ったとのエピソードも。結局他のスタッフからも「唐突過ぎてストーリーが破綻する」「子供向けなのに悲劇性が強過ぎる」など猛反対を受け、さすがの手塚先生も折れたとの事。いやぁ、折れてくれて本当に良かった(笑)。もし本当にヒロインの死でもって終わっていたら子供の頃の自分には耐えられなかっただろうなぁ。という訳(どういう訳?)で、本作は全く面白くありません。残念作です。
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