ホラー、サスペンス、スリラーの演出的魅力を45分に凝縮した一本。
とにかく演技演出、脚本アイディア、カメラワーク、音響とあらゆる場面で「何が出るかな?」な仕掛けがいっぱいの黒沢清ワンダーランド入門詰め合わせパック。
これを観て「悪は存在しない」のラストの不条理の説得力の無さを改めて考えさせられた。答えは簡単で濱口竜介は条理で考えて条理で不条理を作っているのに対し、マイスター黒沢は条理で考えているけれど不条理は不条理なのだと徹底している。
その絶対的な不条理が映画としての説得力を持たせるに足るのだ、という。
さすがの一本。