内からくる何か(衝動的なもの)を抑えてるか秘めてるかは置いといて、そういうものが表に出たヤバい奴が自分の安全圏に抵抗する術がないままに侵入してくる嫌さ加減。から始まって家族の食卓なのに画的に異様なシーンをきっかけにギアを上げて駆け抜ける45分。物凄かった!キタキタキタ~と個人的に興奮するポイントが多めで快感。
なんて言うか、急にカメラが意思を持ったり、何か不気味な存在やその視線になったり、長回しの中でパンとか移動によるフレームへのインアウトで怖いとか気味悪いとかヤバいを作り出すのが上手過ぎる。ほぼ序盤の松岡を背後からドリーインするかと思いきや方向が歪んで松岡の左後ろに着地して、そのカメラに松岡が振り返るみたいな。松岡が何かを感じで振り向く気味悪さと、カメラのこっち側にいる自分となんか目があっちゃった気まずさとか何とも言えない(別に気まずくないか)。細かいショットの積み重ねが、空を捉えた時にちゃんとそこに不気味な何かがいるように思えてくる。意味があるのかないのか分からないけど、おそらくは作為的であろうものだから何かの意味を持たせたくなる。物語よりも余白・難解が先行してはいるものの、閾値越えたせいでなんでもありな面白さになってる。ただ間違いなく緻密なショットの組み合わせであって、単体で変なことしてるわけじゃないのが品。
cureを思い起こす生肉と包丁、困惑したように左右に振られるカメラの焦り、不気味な何かが伝播する瞬間、贅沢な映画だ〜。
8/30に見たのに、今更投稿