T

生きているのはひまつぶしのTのレビュー・感想・評価

生きているのはひまつぶし(2022年製作の映画)
5.0
大田原愚豚舎の数々の傑作、問題作群の中にあり、一見あまり注目されていない気がする作品なのだが個人的には渡辺紘文監督のフィルモグラフィーの中でベストの1本だと思うぐらい感動させられたし身につまされる作品だった。
コロナ禍のドキュメンタリー映画、記録映画としても屈指の傑作だと思う。
映画に登場する数々の絵も素晴らしいのだけれど、この映画には初めて素の渡辺監督、嘘のない渡辺監督の姿が実はかなり生々しく映し出されているのではないかと感じたし、だからこそカメラマンさんのバン・ウヒョンさんと映画の未来、自分たちの未来について話すシーンは愚豚舎の他の作品では感じたことの無いリアルな緊張感があって、寧ろ生活パート、日常パートに引き込まれる感じがあった。
だからこそ自分はこの映画のラストに何か清々しいほどの希望、そして渡辺監督の決意のようなものを感じて何故か涙を流していたし、これからも新たなる大田原愚豚舎の作品を見続けたいと思った。
あと、りこちゃんの存在は本当に癒し。
T

T