まず馬と人間の数がすごい。何より、人体の脆さが写実的で嫌な方に素晴らしい。普通の映画の砲撃だと爆発、煙幕、倒れる人、しかしナポレオンは(そも爆弾をこめてはいないので)人体が粉々、砲弾の破片、即死できていない人間。
そして名もなき前線兵士の泥沼白兵戦も密着カメラワークで映し、大戦を美化しない気迫を感じた。本筋自体はナポレオンの人生をなぞっているので意外性はないものの、華やかな経歴に対して泥沼最前線描写の対比が鮮やかで虚無感にブーストがかかる。
良い作品でしたが、お友達と一緒に鑑賞はあまりお勧めできないかも。
