鮭茶漬け

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版の鮭茶漬けのレビュー・感想・評価

4.1
ジャン・ユスターシュ監督特集

監督初長編であり映画史に名を残す作品でありながら、権利問題やら3時間半超の鑑賞時間やらで鑑賞ハードルがやたらと高かった本作。それが綺麗な画質でスクリーンで見られる、ありがたいですね〜。

見る前は「ひたすら理屈を捏ねてくる敷居の高い作品」というイメージで、実際アレクサンドルとその周りの女性数人が出てきて喋るだけではあるんだけれど、全く退屈せずとても興味深くみれました。ヌーヴェル・ヴァーグよろしく決して何かが起こることはない、けれど『ママと娼婦』というタイトルの意味がだんだんわかってきて目が離せなくなる。
退廃的で性に明け透けで、孤独と死の臭いが常に漂っている。
アレクサンドルは明確にジャン・ユスターシュ自身の投影なんでしょう。あのラストの後も、アレクサンドルにはあんな男女関係が永遠に続くのでしょうね。

ヒューマントラストシネマ渋谷シアター3の狭小スクリーンよりは大きな画面で見たいということで、Part2からの参戦でした。
8年ぶりの東京日仏学院、とても雰囲気が良いところですね。
鮭茶漬け

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