ふじこ

テイク・ミーのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

テイク・ミー(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

障害者を看護する看護師の男が、不全麻痺の男性と女性の性行為を介助する事になる。
こうした事も仕事なのか と疑問を持つ男に、上司はそれもあなたの仕事だと断ずる。


いやぁ…この事についてどうこう言うには人生の経験値が足りないな…って思わされる一本。
麻痺を患っていても人として普通の営みをしたい男女と、看護師として性行為の面倒まで診る事に疑問を感じる男。
これは…この施設は障害者施設?だよな。日本だったらこんな介助はありえないと思うんだけど、先進国では生きるための介助以外にこういった精神的に満たされるための介助も必要なのかぁ…。

何事にもやる気がなく根性がない以外は健常で、特に何もしない専業主婦をやってるわたしが何を言える訳でもないのだけれど…どっちの気持ちも分かる、と言ってしまう事すらおこがましいだろうか。
生きて呼吸をしてご飯を食べて褥瘡が出ないように定期的に姿勢を動かす…以外の看護は職業としての範囲外なんじゃないかと思う看護師の男性の気持ちも分かる。わたしだったら人の性行為の介助はちょっと出来ないと思う。
そして、不全麻痺がありながらも普通の人としての営みを求める人の気持ちも、分からないではない。
もし自分だったらと思うとこれをしなきゃならないなら死んだ方がマシだなとは思うのだけれど、そうでない人が居るのも分からなくはない。もしかしたら生まれてこの方麻痺なのかも知れないし。

疑問を抱きながらも頼まれた事(動けないので挿入するのに距離を詰めさせて欲しい等)を黙々とこなす看護師の男性には尊敬の念を抱くし、人の介助ナシには人としての本能すら満たせないにも関わらず挑もうとするチャレンジ精神みたいなものにはすげぇなって思う。
一番全方位に丸いのは己の意思だけで出来ないのならば性欲がない事、だと思うんだけど…人としての尊厳 みたいなのにかかってくるのかなぁその辺は。特に若い男性とかはいっそない方が幸せだとも思うんだけど。
それこそ、男でもないし健常のわたしが何を言う立場でもないんだろう。
ただただ、看護師の人ってすごいなぁって思うだけだった。
ふじこ

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