これまたダサい邦題のせいであまり観る気はなかった作品の一つだが、結構気に入った作品だった。
死神が人間世界にやってくる話と聞けば恐らく某マンガを想像するだろうがテイストは全然違う（それは当たり前か）。設定は現実味のないものだが、その死神役が好青年な雰囲気のブラッド・ピットというのだから何とも面白い。死神と言えばおどろおどろしいものを誰もがイメージすると思うが、この映画では無垢でわがままのように見える。
3時間という長尺もそれを感じさせないのはうまい。描きたかったのは恐らくは死神と人間という違う世界でのロマンスだと思うが、個人的にはそっちよりも死期が近づいている人間（アンソニー・ホプキンス）の行動と取り巻く環境、さらには彼が何を残すかということの方が印象的だったし感動的だった。特にラストに向けてのパーティーシーンは本当に素晴らしかった。あれだけでも観る価値はある（もちろんそれまでの流れありきだが）。
すごくいい作品だけあってどうしてもラストの余計な演出が気になって仕方ない。それさえよかったら満点だった。とはいえ劇中のセリフの奥深さ、音楽の取り入れ方と心地よさは素晴らしい。ぜひ見てほしい作品。
