Jellyfish

瞼の転校生のJellyfishのレビュー・感想・評価

瞼の転校生(2023年製作の映画)
5.0
大衆演劇の座長の息子が主人公の青春映画。
全く食指が動かないタイトルも問題だが、危うくスルーするところだった自分を叱りたい。もっと観られて然るべき作品。

「カラオケ行こ!」で合唱部長役だった 齋藤潤 が素晴らしいのはもちろん、セリフの良さも相まって主役脇役全員が自然な佇まい。
美松劇団全面協力のもと、この世界のお仕事映画にもなっていて、主演の 松藤史恩 の女形姿や稽古のシーンにも嘘がなく、全くストレスなく観ていられる。

脚本が秀逸で、主役の二人に加え、二十歳の地下アイドル崩れ、同級生女子、担任教師の3人が効いている。劇中劇「瞼の母」を通して、二人の想いがほのかなBL感をもって昇華するラストがトオトイ。
いやぁ、良いなぁ。こんな映画が月に数本観れたら幸せ。

今回、大阪は十三の 第七藝術劇場 を初訪問。すごく観やすい劇場で、上映前や終映後のお客同士の和気藹々としたおしゃべりが楽しい。加えて、斜め向かいの「やまと」でねぎ焼きを食べて帰れるのも嬉しい。唯一、喜八洲本店が火曜定休だったのが残念。

見逃すところだった本作を、七藝で観れたことに感謝の満点採点。
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