柊

市子の柊のレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
3.9
戦後のどさくさで無くても、いやむしろ何でもありの現代だからこそなのか?

いろいろな理由で無戸籍の子どもが少なくないとは朧げながら知ってはいるが…責任はもちろん親にあるはず。自分では出生届出せないからね。
自分が無戸籍であると知った時に本人の申告で戸籍が何とかならんのか?せめて成人する段階で何か救う手立てがあれば、親から自立して自らの意思で生き抜く事もできるかもしれない。犯罪に手を染める前に救える手立てがあるかもしれない。なんて簡単に考えたら浅はかと言われるのだろうか?

行政の目も地域の目も届かない場所で生きている人ももちろんいるだろうが、難病指定の子どもが存在する子どもがいながら、ここまで無関心に放置されるって本当にあるのだろうか?
ストーリーをドラマチックにする為に多少盛ってる?って思わざるを得ない部分もある。特に市子が人を殺めるシーン。月子については器具を外す事で可能だと思うが、残りの3人についてはそう簡単には行かなさそうな気もする。まぁ1人は自殺志願者ではあるけれど…北くんをどうやって巻き添えにできたのかとても不思議。

市子の境遇には言葉も出ないけれど、警察があそこまで確信を持っていながら、長谷川君より行動が伴って無いって何で?
とっくにお母さんとか市子も任意同行で取り調べできてるんじゃないのかな?
でも長谷川君がお母さんから話を聞いて悲しみの涙に暮れるシーンはこっちも胸が打たれる。

とても重いテーマで演者も熱演なんだけど、細かい所に疑問符が付いてしまうのが残念。
市子の髪型も高校生と時も長谷川君と暮らしていた時もはねのくせまでも同じって、ちょっと工夫はしてほしい。

そんなわけで、意欲作であるとこはわかるけど、ちょっとマイナス。
柊