ぷりん

市子のぷりんのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.9
杉咲花の演技の幅にひたすら驚かされる作品。市子の役を他に演じることができる人はいるのだろうか。
バブル崩壊後の東大阪っていうのがまた何とも言えないリアリティがあってしんどくなる。関西弁の奥に温かみがあるはずなのだけれども、苦しくて苦しい。

若葉竜也よりも公園で金麦を飲むのが似合う役者はいないだろう。3年付き合ってお互いのバックグラウンドはなさないことあるかなと思ったが、どこか運命を感じていまうこの出会い方ならあり得なくもないと思う。

物語が苦しさの詰め合わせみたいな感じだから気が付かなかったが、冷静に高校生で好きだった子を10年も思い続けるの恐怖でしかない。でも、その恐怖を利用して最後はあの形で終わらせる市子はもっと怖い。
そして、その市子をサイコパスにしたのは社会そのものなんだよな。他人として生きるよりも、本人として生きる方が難しいなんて普通は理解できない。

今年1番良かった映画かもなぁ。
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