せいけ

市子のせいけのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
3.3
杉咲花の演技に尽きる
この人を見ているだけで物語に没入するパワーは確かにある
キレのいい編集とダイナミックな撮影は映画を観ている実感を与えられた
ただ、作り手の作為性が全面に出過ぎているのが、好みではない
カッコいいショットはあるけど、過剰な手持ち撮影や複雑な時系列シャッフルは面白そうに見せるにが効果的なのはわかる
ただ、それが物語の深みに達するものではないといいますか
観ている間はある程度脇に置いて、面白く観ることはできるけど、ちょっと冷静に考えたら都合のいい展開はかなり多い
一般人と警察が同行するシークエンスは流石にどうかと思うし、市子の真相に大きく関わるあの人物はやっぱり物語のためだけに存在している人物だなと
結構重大そうに見える社会的な問題提起がなされていると思うけど、そこにどれだけ想いが乗っていたか