突如失踪した市子。
第三者目線で「市子とは何者なのか？」紐解かれていく。それでも、本当の本当まで、市子のことが分からない。
本人の口から出てくる言葉と、行動の矛盾は「悪魔的」「魔性」「サイコパス」と思わせるが、この作品が市子を酷い人間だと愚弄するべき映画では無いのは、明白である。
「市子」として存在しようとする意志の強さにただただ圧倒される。
もし自分が彼女と同じ境遇であったとして、何ができようか？
自他ともに「私」を認識してくれない社会の冷たさ、やるせなさ。
「私」の存在を利用してくるヤツらの気持ち悪さ。
自分の置かれた環境に感謝しつつも、自分が市子だった世界を想像してみれば、とても悪魔だなんていう陳腐な言葉で彼女を堕落させることなんて、とてもとても出来ないのである。
長谷川くんに、幸せになって欲しいな〜。
