市子のJMのレビュー・感想・評価

杉咲花の芝居はいい。非常にエモーショナルである。キャメラも全編手持ちの寄りで通し切り、役者によりそう。
だが、演出上の難点が散見される。脚本もしかりである。
全体的にはボヤけてしまっているというしかない。
監督がこの題材を選んだ以上、この題材に応えなければならない。人を殺す必要性はあるのか。悲惨な境遇から殺してしまうことと同等に、悲惨な境遇から殺されてしまうことにも向き合ったのか。この題材を選ぶことは、そのすべてに眼差すことを意味する。地に足がついていないのに撮ってはならないのだ。