みんな市子に同情して守ってあげたくなるけど、実は悪魔そのもの。確かに身の上は不幸だし「私なんか幸せになれない」って本人も思ってるけど、「そんなことないよ。一緒に幸せになろう」って、いろんな人に言わせちゃうヤバすぎる魅力と、生き残るためならどんなことも躊躇しない冷酷さはホントに恐ろしい。逆境を乗り越えて健気に幸せを掴もうとする彼女に、映画の観客さえ思わず共感してしまう。まさに人心を狂わす悪魔と言えよう。映像も臨場感がハンパなくて、あまりに引き込まれちゃうので冷静に悪魔を警戒することができない。そんな彼女を完璧に演じた杉咲花の演技が何よりヤバい。
