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市子のKのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.1
プロポーズされた翌日に失踪した彼女。普通に幸せに生きたいと願い生き続けてきた、その市子という名の女性が抱えるもの。

楽しい瞬間、嬉しい瞬間、幸せな瞬間、そんな瞬間がなかったわけでもない彼女の人生、それでも、基本的には底抜けに真っ暗で希望を諦めた目が常に印象的でした。

そんな彼女が唯一普通の女の子でいられる彼との出会い、初めて見つけた本当の愛、それでも、何もかもを諦めざるを得なかった彼女の人生、境遇が、杉咲花さんの繊細な機微の表現によって痛いほど伝わった。

闇しか彼女を救い出せないなんて、辛すぎた。彼氏君は、市子には眩しすぎたんだな。それでも、「抱きしめたい」って台詞は市子に聞かせてあげたかった。
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