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市子のitoのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.3
きつい。苦しい。重たい。
全編を通してずっと心がザワザワするような作品でした。市子があまりにも危うくて、壊れそうで…実際壊れてしまったけれど、そうなったのにも訳があって。

ずっと観たいと思っていた作品をやっと鑑賞。生々しくて、まさに暑い夏に汗がべっとり張り付くような不快感や不安感が詰まった作品でした。

市子が抱えているものが大きすぎて、月子とのあのシーンではお花ちゃんの虚ろな目の演技がとても怖かったです。あぁ、この子はきっと…という感じがとても伝わってきました。やってはいけない事だけど限界なんだろうな、、。そんな目で見ないでよ。って私も思ってしまうくらいでした。

市子の人生は傍から見てもとても辛いものだったけれど、長谷川くんと居れた日々は間違いなく幸せだったんだと思う。離れることを決意した時に涙が溢れてくるのは幸せで、大好きだった証拠だよ。

市子と周りの人達との関わりを通して、彼女がどんな人間なのかよく分かりました。見せ方が上手。お花ちゃんの演技は本当にすごい。市子の世界に引っ張られるようでした。

北くん、結構やばいやつだなー。何回俺が守るからって言うの…やめて欲しい。正直少し気持ち悪かったです。個人的にですが。

最後はハッピーエンドなのか。そうではないのか。考えさせられるなぁと思います。わたし的にはメリバな気がするなぁ。考えてもなかなかどっちって決められないラストでした。
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