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市子のchiyoのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.0
2024/3/16
3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川からのプロポーズを受けた翌日に、突然失踪した川辺市子。失踪の謎を探ると同時に、彼女のこれまでの人生が紐解かれていく。無戸籍、成りすまし、ヤングケアラー、そして殺人。社会の闇と負をひとりで背負い込んだような感じで、市子の人生はあまりに壮絶で救いがない。が、開き直った彼女はある意味では無敵で、固執するのは自分が生き延びることのみ。長谷川の元を去ったのも、始めは無戸籍の自分が彼に迷惑を掛けないためかと思ったけれど、全ては自分を守るためだったのだと今は思う。とはいえ、長谷川からのプロポーズを泣いて喜んだ彼女も本当の姿で、市子として人から求められることが純粋に嬉しかったのだろう。それにしても、「52ヘルのクジラたち」と同様に杉咲花がとても良かった。
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