マイノリティ

ミラーズ・クロッシングのマイノリティのレビュー・感想・評価

ミラーズ・クロッシング(1990年製作の映画)
4.3
とても良かったです!

コーエン兄弟監督作で、禁酒法時代のアメリカを舞台に、街を牛耳るマフィアと敵対するマフィア。

この2つの狭間を生きる男の物語です!

主人公のトムはクールで頭が切れ、ボスであるレオに一目置かれています。

ボクシングの八百長試合のビジネスをしている別のマフィアのボス、キャスパーが「八百長の結果をバラして俺の儲けをかすめ取っている、お前の所のチンピラを引き渡せ」と要求を迫りますがレオは全く相手にせず、キャスパーの怒りを買います。

チンピラのバーニーにはヴァーナという姉がいて、姉がレオの女になる事で弟の身も無事。
という関係にあります。

しかし、トムは「引渡しさえすればいい。ただのチンピラ1人の為にキャスパーと戦争する必要は無い」とレオに言います。がレオはそれも無視。

この事がきっかけで抗争が始まります。

トムはヴァーナと深い関係にあり、バレると2人共無事では済まされません。

抗争も激化し、キャスパーがトムを抱き込む作戦に出たり、キャスパーに命を狙われているチンピラのバーニーが現れたりと色んな人間の裏切りや思惑が入り乱れます。

そんな中、トムとヴァーナとの関係を、とうとうレオも知る事になり・・・。

見た目はクールですが、借金取りや色んな人に殴られてばかり。
自分が生き延びる為に巧みに嘘をつき、騙す。
そんな人間味の溢れた魅力的な主人公トムをガブリエル・バーンが演じていました!

セコいチンピラのバーニーにはジョン・タトゥーロが圧倒的な存在感を放っています!

他にも個性的で忘れられないキャラクター勢ぞろいです!

銃撃戦やアクションシーンもありますが一般的なマフィア映画とは違った作品です。
会話での駆け引きや騙し合い等、人間の内面的な部分を中心に描き、どちらかと言えばサスペンスに近い感じがしました!

トムが仕掛けた最後の作戦に思わず唸ってしまいます!

金と名誉、そして自分の命を守る為なら何でもする。
裏切り者やボスに背いた者は絶対に許さない。

存在の肯定、否定は別としてマフィアって正直な人間の集団なんだな。と強く感じました!

そして実在する(した)訳だから、ファミリーの頂点に立つボスになる人間にはカリスマ性も備わっていたと思います!

だから色んなマフィア映画やギャング映画があるのだと思います!

そんな事を感じながら楽しく観ました!