似太郎

ミラーズ・クロッシングの似太郎のレビュー・感想・評価

ミラーズ・クロッシング(1990年製作の映画)
3.8
【侘び寂び】

別に大した映画ではないのだが、コーエン兄弟なのでちょっと毒のあるユーモアセンスが伺える。シニカルで飄々とした雰囲気がコーエン節。

主演のガブリエル・バーンが渋くてダサくてどこか可笑しい。『ロング・グッドバイ』のエリオット・グールドにも近い飄々としたムードを漂わせている。

ジョン・タトゥーロ!この人も面白い。セコイ悪役を演じさせるならまずこの役者だ。その他、アルバート・フィニー、マーシャ・ゲイ・ハーデンなど人間臭くてすっとぼけた味わいのあるキャラがコーエンらしくて良かった。

しかし…全体的に何かが足らない。作風が優等生過ぎて突き抜けたインパクトがないからかな?。これならまだ『赤ちゃん泥棒』の方が良いかもだ。

修羅場で名曲ダニー・ボーイが流れるシーンが白眉と言える。ベルトルッチの『暗殺の森』を意識した「森」のシーンの引用は微妙だった。
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