サーフ

アキレスと亀のサーフのレビュー・感想・評価

アキレスと亀(2008年製作の映画)
3.4
「TAKESHIS'」「監督・ばんざい!」に続く「芸術3部作」のラストとなる作品。

「表現し続ける」という事の難しさ。自分のイマジネーションを具現化したいから表現活動をしているか、それとも他者から認められたいから表現活動しているのか。曖昧な境目の中、理想を追い求め藻掻く主人公。
正しく「アキレスと亀」。自分が本当に追い求める物は手が届きそうで手が届かない。芸術と言う名の追いつく事がない「理想」を追い求める旅路。

北野武の決意の映画なのかなぁと思う。自分が思い描く完璧な映画を撮る事は出来ないと分かっているけれど表現し続けていくという決意。

映画としては主人公の「少年期」「青年期」「中年期」と3つのパートに分けられていて、それぞれ趣向が異なってくる。
裕福な家庭から没落していく大人に振り回され続ける少年期になんだか普通の青春ドラマみたいになってる青年期。
そして中年期はそれまでが人間ドラマ風だったのが一気にコメディ要素多めに。
アートしか考えていない主人公に振り回され続ける奥さん。この2人から醸し出される可笑しみ。2人の行動が次第に狂気性を帯びてくる感じが凄く良かった。
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