この作品
すごく良かった。
芸術の位置付けを問う。
基本的になんでもアリなアートの世界。
創造と破壊。
芸術ってムズカシイ。
芸術ってなんだろ。
本作の冒頭に、ゼノンの「アキレスと亀」の逆説についての挿話があるのだけど、数学がとにかく苦手だから、ちんぷんかんぷんでした。
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お金持ちの家に育った真知寿(まちす)少年は、絵🖼を描くのが大好き。大胆な色使いと力強いタッチの目を引く絵を描く。
大人たちはこぞって褒めそやす。
真知寿がいい気分になったかどうかは分からないが、絵描きになる!と決めた。
ところが、家は破産し、真知寿の環境はガラリと変化する。あったかい家、優しい両親はもういない。
そんな中、絵を描くことで自我を保ち、少年は青年期(演じるのは柳優玲)を迎え、結婚する。娘も生まれ、ただひたすらに絵を描きながら、中年期(演じるのはビートたけし)に突入する。
芸術を追い求めることが、正しいのかどうか分からない。才能があるのかどうかも分からない。そんな彼をそばで支える奥さん(樋口可南子)がいい。とてもいい。
画商にコケにされ、もっと狂ったものを!と煽られる。真知寿の人生はとっくに狂っているっていうのに。
しかし真知寿は諦めない。
芸術を判断するのは誰なのだ?芸術ってなんなのだ?評価は偶然か必然か?
赤い血、青い車、黄色い車…色が溢れる本作。マティスだけに赤が鮮烈。けれど、白と黒の描き方も印象的だった。
面白い描写があちこちに散らばってた。KKKをボコボコにする◯◯、アフリカ大陸を蹂躙する◯◯、真っ黒い煤に真っ白い包帯…
シニカルだなぁ。
逆説の表現だろうか。
何かあるぞ…と、つい考えながら観てしまう。意味を追っかけるのって無意味な気もするけど、それはそれ。
自分なりに咀嚼しよう。
芸術だから。
哀しき芸術家の生き様。一度は離れたあの人の「帰ろ」にうるっと来た。そんな深い愛…あるのかよ〜🤍